鍼・灸・あん摩マッサージ指圧について

2020年1月31日

鍼・灸・あん摩マッサージ指圧ってどんな施術?

鍼施術

鍼施術直径0.10-0.30mmで出来た、髪の毛程度の非常に細いステンレス製の鍼を経穴(ツボ)*1に刺入します。その後、鍼を上下に動かしてすぐに抜くか、10-15分そのままにしておき、経穴(ツボ)に刺激を与えて体内の「気」・「血」・「水」*2の流れを調整し、体調を正しく整えます。
また、刺入した鍼に微弱電流を流す方法や、鍼を刺入されるのが苦手な方のための刺さない鍼の使用、乳幼児向けに は鍼を刺入せず皮膚をなでたり、こすったりする方法もあります。なお、鍼は使い捨て鍼(ディスポーサブル)を使用したり、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を使用して滅菌するため、感染の心配はありません。

灸施術

灸施術艾(もぐさ)を用いて経穴(ツボ)に刺激を与え、体内の「気」・「血」・「水」の流れを調整し、体調を正しく整えます。灸には火をつけた艾を直接皮膚の上に置く直接灸と、艾と皮膚の間にシール・生姜などを置く間接灸があり、肌の弱い人には間接灸を使用します。灸の熱さはほとんど感じません。

*1【経穴(ツボ)について】経絡という、気が流れる道の上にある出入口のこと。ここに「気」・「血」・「水」(下記参照)が滞りやすい。
*2【気・血・水】私たちの体内を流れる、元気に生きるための3大要素。東洋医学では、これらがきちんと流れることで、栄養素や酸素などがしっかり体内を巡り、気力が充実して健康に過ごせるとされる。

あん摩マッサージ指圧

日本では「あん摩マッサージ指圧師」として1つの国家資格になっていますが、厳密には「あん摩」、「マッサージ」、「指圧」に分かれ、それぞれの起源や理論などが異なります。
しかしながら、生体に対して刺激を与えることで健康の保持・増進を図るという根本的な考え方は共通しています。
なお、「マッサージ」という表現はこの国家資格保持者でなければ、リラクゼーション目的であっても使用することはできません。

いずれの施術法も、まず患者さんの症状や痛みの具合・部位・原因などをうかがって、施術方針を立てて進めていきます。

マンガでわかる鍼灸施術

「海凪鍼灸院物語」は悪の組織“アクダーン”との戦いを通じて、ゆるーく鍼灸施術の魅力を発信しています。

 健康保険で鍼灸・あん摩マッサージ施術を受ける際の流れ

以下の疾患は健康保険で受けられます。

鍼灸治療

慢性病で、医師による適当な治療手段がないと医師が判断したもの*1。その他、これらに類似する疾患や、慢性的な痛みのある疾患で保険者が認めたもの。

[*1]神経痛:坐骨神経痛、肋間神経痛など
リウマチ:手首や膝などの関節が腫れて痛むもの
腰痛症:変形性腰痛症、ギックリ腰(慢性期のもの)など
頚腕症候群:頚、肩、腕の痛みやだるさなど
頚椎捻挫後遺症:むちうち症などの後遺症
マッサージ治療
当組合へ加入する6つのメリットをわかりやすく解説。
あん摩・マッサージ・指圧師の施術のうち、医療上必要があって行われたと認められるマッサージ。

 
  • 脳血管障害などの麻痺による半身不随。
  • 骨折、手術後の関節機能障害。
  • 関節リウマチによる関節拘縮。
    ※適応症は一律に診断名によることなく、筋麻痺、関節拘縮等であって、医療上マッサージを必要とする症例。

健康保険で鍼灸・マッサージ施術を受けるには

健康保険で鍼灸・マッサージ治療を受けるには

健康保険で鍼灸・マッサージ施術を受ける際の注意事項

  • 同意書の有効期間は初療日から約6カ月です。それ以降も施術を受ける場合は6カ月毎に再度、医師の同意が必要です。
    ※同意書は医療機関に備え付けられていない場合もありますので、その場合は、鍼灸・マッサージ院にご相談ください。
  • 鍼灸の場合、健康保険で施術を受けている期間、その疾患については病院にかかることができません。(他の病気の施術は可能)
  • マッサージの場合、原則として医師による治療を並行して受ける必要があります。
    ※健康保険以外では、生活保護・労災・自賠責保険も取扱い可能

鍼灸・あん摩マッサージ指圧を受けられる施術所を探す

「あなたの街の治療院」は、大阪府周辺で鍼灸・あん摩マッサージ指圧の施術が受けられる施術所を紹介しています。

鍼灸の適用症(WHO)

鍼灸施術には血液循環を改善したり、筋肉のコリをとったり、痛みを和らげる作用の他に、ツボを刺激することによって身体全体の働きを改善する作用があります。その対象となる症状は腰痛・肩こり・捻挫などだけでなく、不眠症、胃腸障害など広い範囲にわたります。WHO(世界保健機関)では、以下の疾患に鍼灸施術が適応であると認めています。

神経系疾患

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー等

運動器系疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)等

循環器系疾患

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ等

呼吸器系疾患

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾等

消化器系疾患

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾等

代謝内分秘系疾患

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血等

生殖、泌尿器系疾患

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎等

婦人科系疾患

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊等

耳鼻咽喉科系疾患

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・蓄膿・咽喉頭炎・扁桃炎等

眼科系疾患

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい等

小児科疾患

小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善等